宮城県産かき特集

宮城県のずんだ餅の魅力とおすすめ店舗

ずんだ餅

ずんだ餅は、枝豆をすりつぶして餡にし、餅にまぶして食べる宮城県の郷土料理です。鮮やかな緑色の餡と、白くてつるっとした餅との対比は見た目に美しく、食の宝庫である宮城県において、笹かまや牛タンに並ぶ三大名物の1つに数えられています。この記事ではそのように魅力的なずんだ餅の魅力をお伝えしていきます。

ずんだ餅の起源と宮城県での歴史

ずんだ餅はいつの時代に生まれ、宮城県人の胃袋を掴んできたのでしょうか。その歴史を紐解いていきます。

ずんだ餅の由来と歴史

ずんだ餅の可愛らしい名前の由来は諸説あります。発祥の歴史とともに説明していきます。

ずんだ餅の名前の起源とその意味

ずんだ餅の名前の起源については3つの説があります。

1. 仙台藩の初代藩主である名将伊達政宗が、戦国時代の戦陣中に枝豆を陣太刀(じんだち)の柄で潰し餅に和えて食べたという説です。あまりの美味しさに感銘を受けて陣太餅(じんだもち)と名付けたのが始まりであるとされ、それがなまってずんだ餅となったそうです。

2. 甚太(じんた)という農民の名前からきた説です。甚太が枝豆を潰し餅にまぶしたものを考案し伊達政宗に献上したところ、大いに気に入られ甚太餅(じんたもち)と名付けられ、それがなまってずんだ餅になったそうです。

3. 言葉の音に由来する説です。東北地方では豆を潰し打つことを「ずだ」といいます。それが訛って「ずんだ」になったものと考えられています。

ずんだ餅の歴史

ずんだ餅の歴史は非常に古く、500年ほど前の戦国時代にまで遡ると言われています。当時は、餅に絡める以外にも、豆腐や野菜などに和えて食べられていたとのこと。甘さは控えめで、枝豆の風味が強く感じられるものだったそうです。一般に砂糖が手に入るようになったのは幕末から明治時代頃にかけてです。その頃に現代のような甘いずんだ餅を食すようになったと言われています。

ずんだ餅の製法と特徴

枝豆の香りと優しい甘さで、何個でも手が出てしまいそうなずんだ餅はどのように作られているのでしょうか。

ずんだ餅の伝統的な製法

ずんだ餅は発祥以来の伝統的な作り方を守り、現在に至っています。宮城県ではお店だけではなくご家庭でも作られています。

材料の準備と選定

現代では冷凍技術の進歩で、1年を通して美味しい枝豆を手に入れることができるものの、枝豆のシーズンは6月から9月までの4か月間です。その中でも特に美味しいのは後半の8月9月ですから、なるべく旬の枝豆を使用しましょう。枝から外して販売されている光景を目にしますが、それでは鮮度劣化が加速しますので、枝付きの枝豆を選ぶことがポイントです。劣化が進むと黒や茶色の斑点が出て甘みが落ちます。鮮やかな緑色でプリッとしている見た目のサヤを選びましょう。また、うぶ毛がびっしりと生えているサヤも鮮度が良い証拠です。

ずんだ餡の基本的な製作工程

まず、枝豆の下ごしらえですが、水の入った鍋にサヤごと入れます。そしてお湯が沸いたら火を少し弱めて、15分ほどかけて柔らかくなるまで茹でます。鍋を火から下ろし、サヤから実を取り出し、完全に冷める前に砂糖と塩を混ぜ合わせて実を潰します。潰し加減は好みですが、餅に絡みやすくなるくらいまで潰して、ずんだ餡の完成です。以前は、サヤから豆を取り出す作業を子どもたちが手伝うなどして、家族みんなでずんだ餅を作っていました。枝豆の旬である夏に作られ、お盆やお彼岸のお供え物としての定番です。今でもご家庭によっては、そのような光景が少しばかり残っているようです。

ずんだ餅の楽しみ方と提供形式

ずんだ餅はどのような時に、どのようにして食べられるのでしょうか。伝統的な楽しみ方から革新的なアレンジまでを紹介していきます。

宮城県におけるずんだ餅の位置づけ

日常的なお茶うけから行事での振る舞い、アレンジメニューまで、ずんだ餅は宮城県において日常に溶け込んでいます。

お茶うけとしてのずんだ餅

枝豆の素朴な味わいと上品な甘さ、一口サイズの食べやすさから、お茶うけとして非常に人気があります。余計な材料が入っていないからこそ主役の枝豆が生きているのです。緑茶やほうじ茶など煎茶の爽やかな味わい、ほうじ茶の香ばしい香り、抹茶のほろ苦い味わい、渋みや苦みの少ないまろやかなぐり茶など、ずんだ餅はさまざまなお茶に合います。暑い夏には、冷たいお茶と一緒にいかがでしょう。

地元の祭りや行事での提供

昔から宮城県では、お正月や婚礼、法事などの年中行事には欠かさずお餅が食べられてきましたが、ずんだ餅は来客のおもてなしとしても出される機会が多くありました。ずんだ餅は通常は常温で食べますが、食欲が減退した夏などは冷やしたものを提供されることもあり、栄養補給としても最適です。例年、8月6日から8月8日まで行われる「仙台七夕まつり」からお盆までの間に、多くのずんだ餅を売っています。また、地元の夏祭りで振る舞われる光景も見られます。

現代のアレンジ

ずんだ餅は郷土料理としての枠を超えて、幅広く宮城県内に定着しています。「ずんだシェイク」「ずんだどら焼」「ずんだケーキ」「ずんだかき氷」など、和菓子屋からカフェメニューまで、様々なスイーツとしてアレンジされています。

おすすめのずんだ餅

ずんだ餅は和菓子ではありますが、近年では栄養価の高さに注目が集まったことで、健康や美容食品としての一面もアピールしています。

ずんだ餅の栄養価とおすすめ商品

ずんだ餅に含まれている栄養価とはどのようなものでしょうか。おすすめ商品とともに紹介していきます。

健康・美容食品としてのずんだ餅

大豆は「畑の肉」といわれています。枝豆は、大豆が未成熟の状態で収穫したものですが、その状態でも、大豆と同じくらい栄養が豊富です。高タンパクでありながら低脂質、さらに美容や美肌に効果があるとされるイソフラボン、疲労を回復させるビタミンB1やB2、免疫を高めるビタミンC、むくみを解消させるカリウム、食物繊維や葉酸など、栄養の宝庫です。

おすすめの購入スポット

仙台市でずんだ餅を楽しむことのできるお店をピックアップします。

「村上屋餅店」

創業1877年、140年以上にわたって営業している老舗。ずんだ餅発祥の店といわれています。ずんだ、ごま、くるみの三色餅が人気です。

参照:食べログ 村上屋餅店

「ずんだ茶寮」

1947年創業、「銘菓・萩の月」を生みだした 株式会社菓匠三全が運営しています。ずんだ餅を始めとして数々のアレンジメニューが人気のお店です。

参照:ずんだ茶寮

「甘味処 彦いち」

1976年創業、仙台で大人気の甘味処。各種スイーツや麺類などの軽食も用意しています。休日には行列で待つこと必須のお店です。

参照:食べログ 甘味処 彦いち