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宮城県の牡蠣の魅力とおすすめ店舗

牡蠣

リアス式海岸の入り組んだ海岸線と、豊かな自然環境に恵まれた宮城県は、広島県に次いで全国2位の牡蠣産地です。栄養価が高く「海の宝石箱」「海のミルク」とも称される牡蠣。この記事では宮城県の牡蠣について、地域にどのように根付いているのかを、また、その知られざる魅力について余すことなく紹介していきます。

宮城県牡蠣の概要

宮城県の牡蠣はどのような歴史と特徴があるのでしょうか。それぞれを紐解いていきます。

宮城県の牡蠣産業の歴史

宮城県の牡蠣は1年から2年かけて育成されます。どのように生まれ、産業化していったのかを解説していきます。

牡蠣の養殖開始の背景

宮城県における牡蠣養殖の歴史は非常に古く、江戸時代の末期にまで遡ります。松島湾に浮かぶ浦戸諸島の野々島で、内海庄左衛門が天然牡蠣の稚貝を集めて適当な場所に放ち、成長したものを採取したのが始まりとされています。

発展の歴史と現在の状況

1800年代には採取できていた天然牡蠣ですが、その後に減少していったため保護する必要が出てきました。仙台湾にある貞山運河入り口の海面に発生した天然稚貝を集め、生育に適した場所へ移植を始めます。また、松の木を海中に立てて稚貝を付着させて、次の年に適した場所へ移動させ、生育後に採取するようになりました。現在ではそれぞれの地形に合わせた方式で養殖され、さらなる改良や新しい養殖手法の開発が進んでいます。

宮城県の牡蠣に関する文化的意義

「利用範囲が全国的で水産業の振興のために特に重要な漁港」を「特定第3種漁港(特三)」といいます。全国で13箇所しかない特三ですが、宮城県には気仙沼、石巻、塩釜と3箇所も存在しています。宮城県では多くの人が水産業に従事し、生産から加工、流通、消費の全般に携わり、重要な産業となっているのです。

牡蠣の種類と特徴

牡蠣は大きく「真牡蠣」と「岩牡蠣」に分類されますが、宮城県で養殖される牡蠣の種類について、また、特徴について解説していきます。

宮城県で養殖される牡蠣の種類

宮城県で養殖されている牡蠣は「真牡蠣」と言われる種類で、生食用に利用される割合が高いのが特徴です。加熱用か生食用かは、牡蠣の鮮度で判断されるわけでなく、採取する海域によって決められますので、海が清浄である証明でもあります。

味や食感の違い

宮城県はリアス式の入り組んだ海岸線が南北に連なっています。その地形で養殖される牡蠣は、他の産地と比べ濃厚でクリーミーだといわれています。県内の各産地が地形に合わせた養殖技法を使いますので、多様なブランド牡蠣が育まれているのが大きな特徴です。

季節ごとの味の変化

宮城県で養殖されている牡蠣の旬は毎年10月から3月までとなっています。この期間が最も美味しくなる時期です。

宮城県牡蠣の養殖方法

それぞれの地形に合わせた養殖とは実際にはどのような方式なのでしょうか。紐解いていきます。

海域の自然環境

宮城県の海は黒潮と親潮がぶつかる世界三大漁場の一つです。リアス式海岸には壮大な森が取り囲み、海へと雨水が流れ出て豊富な栄養分を供給し、牡蠣の餌となるプランクトンを育てています。水産業に適した豊かな自然環境に恵まれているのが特徴です。

養殖設備と技術

養殖方法は産地の自然環境により異なり、宮城県内の養殖場では以下のような方式が採用されています。

・簡易垂下式:松島湾や万石浦など水深の浅い場所で使用。

・延縄垂下式:外洋に面した石巻湾や牡鹿半島周辺で使用。

・筏垂下式:県北部地域で使用。

・ブランコ方式:宮城県漁業協同組合石巻市東部支所で、波への耐久の向上や脱落防止を目的として独自開発。

持続可能な養殖の取り組み

環境や社会に配慮し、責任ある養殖業を未来に繋げていく取り組みも行われています。 水産物の持続可能性や環境問題の解決を目指す認証制度を「ASC認証」といいます。2016年に宮城県漁業協同組合志津川支所の戸倉事務所が、日本国内で初めての「ASC認証」を牡蠣養殖で取得しました。認証を取得した養殖場で生産された水産物にはエコラベルを付けて流通させます。 生産現場から食卓までのトレーサビリティ(モノの流通経路を《生産段階》から《最終消費段階または廃棄段階》まで追跡可能な状態にすること)を確保するとともに、消費者の選択で責任ある養殖業を支援し、自然環境の保全と地域の人々の暮らしを両立させようという仕組み作りをしています。

宮城県牡蠣の味わい方

生食用が多い宮城県の牡蠣。どのように調理され、消費者の口に入るのでしょう。牡蠣の選び方と合わせて紹介します。

生食用牡蠣の選び方

新鮮で安全な生食用牡蠣はどのように選べばいいのでしょうか。

新鮮さを見極めるポイント

4つのポイントを押さえると高品質な牡蠣を手に入れることが可能です。

・目視:新鮮な牡蠣は殻の色が鮮やかで艶があり、表面に汚れや傷がなく綺麗。

・匂い:新鮮な牡蠣は潮の香りがして嫌な臭いはしない。臭いが強い場合や異臭がする場合には、鮮度が落ちている可能性がある。

・殻の開閉:新鮮な牡蠣は殻が閉じている。開いている牡蠣は死んでいる可能性が高いが、殻が開いている場合でも軽く叩いてみて反応があれば生きていると判断できる。

・手触り:新鮮な牡蠣は殻に水分を多く含んでいるため、滑らかでヌメリがある。殻に水分が少ない場合は、殻が粉っぽくなることがあり、鮮度が落ちている可能性がある。

おすすめの食べ方

生食用の牡蠣は、最小限手を加えるだけで十分に美味しく食べることができます。レモン汁を少し垂らしてそのまま食べることで、潮の香りと風味が引き立ちます。レモンが無い時はポン酢でも美味しく食べられます。地元の多くの方が食べている牡蠣の食べ方であり、おすすめです。

生食用牡蠣の安全な楽しみ方

宮城県内の生産者は安全性をさらに高めるため、処理場で水揚げした牡蠣を滅菌海水により浄化させてから、むき身加工を行い出荷しています。生食用殻付き牡蠣の浄化時間は22時間以上にもなります。生食用の牡蠣でも100%菌がいないわけではありません。食中毒になるリスクはゼロではありませんから、体調がすぐれないときや妊婦、小さな子供、高齢者は避けるほうが良い場合もあります。

加熱調理用牡蠣の特徴

次に加熱用の牡蠣について、生食用とはどのように違うのか、その特徴を解説していきます。

加熱用の選び方と調理法

沿岸部などの近海で獲れた牡蠣は加熱用に指定されます。近海はエサになるものが多いため栄養分は豊富ですが、菌やウイルスが付着している可能性も高まるからです。ノロウイルスや食中毒を引き起こすことがありますので、調理をする時には中までしっかりと加熱するようにしましょう。

牡蠣の人気レシピ

焼く、煮るといった加熱調理をした牡蠣料理はどれも絶品です。以下にレシピを紹介します。

「フライ」

牡蠣の旨味をぎゅっと閉じ込め、サクッとおいしいフライが出来上がります。

作り方はこちら:クラシル サクサクカキフライ

「ホイル焼き」

プリプリの牡蠣にしょうゆとバターの香りがよく合います。オーブントースターで手軽に作ることができるのも魅力です。

作り方はこちら:クラシル トースターで簡単 カキのホイル焼き

「ソテー」

調味料はニンニクと醤油など最低限。牡蠣の旨みがぎっしり詰まったガーリックソテーは食欲をそそります。

作り方はこちら:クラシル 旨みたっぷり 牡蠣のガーリックソテー

「鍋」

味噌と野菜から出る水分に牡蠣の旨みが合わさり、スープを飲み干す美味しさです。

作り方はこちら:macaroni 身がふんわりぷりっぷり!「牡蠣鍋」

加熱による味の変化

牡蠣を加熱すると潮の香りは少なくなります。含有している栄養素のうち、牡蠣に含まれているビタミンCやタウリンは、熱を加えることで失われてしまいます。しかし亜鉛のように熱を加えることで増えるものもあります。

牡蠣を使った地元料理

宮城県内のお店や家庭で、牡蠣はどのように調理され、食されているのでしょうか。

宮城県の伝統的な牡蠣料理

地元では「焼牡蠣」や「牡蠣フライ」、混ぜご飯にした「牡蠣飯」、旬の野菜と一緒に楽しむ鍋「牡蠣鍋」「牡蠣の土手鍋」などを食べる機会が多くあります。

地元の飲食店のおすすめメニュー

「仙台かき徳」は昭和2年創業の牡蠣専門店です。宮城県産の牡蠣を使用し、「カキフライ定食」「バター醤油で焼き上げたかきグルメ焼き」「かきカレーやシチュー」「かきグラタン」などの様々な料理を提供しています。また、販売店ではギフト商品やお土産品を販売しています。

牡蠣を使ったイベントや祭り

特産品である牡蠣を利用して、地元の町おこしや活性化に役立てています。

「松島かき祭り」

獲れたての新鮮な牡蠣を用いた様々な料理とともに、地元の文化を感じられるステージイベントを開催している。

参照:来たHUB 松島かき祭り 2024 採れたての牡蠣冬の味覚を堪能!

「ラムサール志津川湾牡蠣祭り」

蒸し牡蠣の提供など魅力的なイベントが満載。南三陸冬の三大祭りに数えられている。

参照:宮城まるごと探訪 南三陸冬の三大祭り第3弾 ラムサール志津川湾牡蠣祭り

「大島カキまつり」

気仙沼の牡蠣を「むき牡蠣」「牡蠣汁」「牡蠣弁当」にして販売。殻付き牡蠣の詰め放題などのイベントで支持されている。

参照:宮城まるごと探訪 大島カキまつり

宮城県牡蠣の購入と保存方法

宮城県の牡蠣は地元まで行かないと買えない?どこで買える?などのさまざまな疑問に答えていきます。

宮城県内での購入スポット

観光で宮城県を訪れたら立ち寄りたい、購入スポットについて紹介していきます。

地元の市場と直売所

宮城県内の市場や直売所は、働いている人と購入する人で溢れかえり活気に溢れています。

「杜の市場」

仙台市中央卸売市場近くに位置する場外市場で、生牡蠣をその場で食べられる。

参照:杜の市場

「松島地区漁業組合生かき直売所」

漁業組合運営の直売所で10月から3月頃まで販売する。地方への発送も店頭から可能。

参照:松島地区漁業組合生かき直売所

「奥松島水産 牡蠣加工場・直売所」

生食用の生牡蠣、加熱用牡蠣を漁師直送の鮮度で提供。

参照:奥松島水産 牡蠣加工場・直売所

牡蠣祭りやイベント

前述しました祭りやイベントを通じて、新鮮な牡蠣を買い求めることができます。

オンラインショップの利用

宮城県まで足を運ばなくても、お手軽に新鮮な牡蠣を手に入れることが可能です。

「三養水産」

宮城三陸産の美味しい牡蠣を「冷凍殻付き牡蠣」「加工食品」にして発送。

参照:三養水産

「後藤水産」

1年物のオリジナルブランド鳴瀬牡蠣を厳選して旬の時期のみ発送。

参照:後藤水産

「奥松島の牡蠣オンラインショップ」

三陸奥松島の最高級牡蠣を生産者直売価格でお届け。

参照:奥松島の牡蠣オンラインショップ

「井上海産物店」

当店は宮城県石巻市にある海産物小売店です。宮城県産のかきフライを始め、牡蠣くん製オリーブオイル漬け、牡蠣の燻製油漬け缶詰なども取り扱っております。ぜひ覗いてみてください。

参照:井上海産物店

牡蠣の保存と衛生管理

牡蠣は傷みやすい食材ともいわれています。安全に保存するにはどのようにすればいいでしょうか。

生食用と加熱用の適切な保存法

生食用は、冷蔵庫のチルド室やパーシャル室などの特定低温室で保存し、消費期限を守って出来るだけ早く食べきることが必要です。加熱用は、片栗粉で揉み洗いした後に、冷蔵庫のチルド室やパーシャル室などで保存し、十分に加熱して食べましょう。

長持ちさせるコツ

上記の保存方法で鮮度を保ち、長持ちさせることが可能です。それぞれの商品には食品表示がありますので、商品ごとにどのように保存し、いつまでに食べきるべきなのかを確認することが大切です。

食中毒を防ぐためのポイント

厚生労働省では、牡蠣を安全に食べるために加熱する基準を「牡蠣の中心部を85〜90℃で90秒以上加熱する」としています。しっかりと加熱するようにしましょう。また、調理の際は手洗いをしっかりと行い、調理器具も清潔に保つことが重要です。

牡蠣を安全に楽しむためのヒント

牡蠣をご家庭で安全に食すためのチェックポイントについてまとめました。

購入時のチェックリスト

生食用か加熱用か表示があるので必ず確認しましょう。殻付きの場合には水槽で保管されているほうが安全です。水槽の中で雑菌や不純物などを排出させることができるからです。

食べる前の下処理

殻付きの場合には、泥や寄生している生物などが付着している場合がありますので、丁寧にブラシやたわしで洗うようにしましょう。むき身の場合には、表面のヌメリに汚れや雑菌が付着しているため、片栗粉で洗い流します。片栗粉が汚れや雑菌を取り込み、水に沈殿させる効果があります。

アレルギーや健康への注意点

高齢者や妊婦、免疫力が低下している人、過去に消化器系の問題を抱えたことがある人や食物アレルギーを持っている人、牡蠣を初めて食べる人は牡蠣にあたるリスクが高まるとの調査結果がありますので注意が必要です。