まずはお歳暮として「海産物・干物・海苔」を選択することにどのようなメリットがあるのか、簡単に紹介していきます。
1つは鍋や煮魚などが好まれる寒い時期にぴったりであるということ、また、年末やお正月のお料理に合わせやすいというメリットも挙げられます。海産物をお正月に使う家庭も多く、しかも普段より豪勢な食事にするケースが多いため、普段買わないような良い品物に対するニーズが高いのです。昆布巻きや海苔などもおせちに利用しやすく、すぐに使う機会がやってきます。
海苔は縁起物ですし、すぐに使わなかったとしても日持ちし、実用性も高い食品です。癖が少なく比較的好き嫌いが分かれる食品ではありませんし、高級な海苔を嗜む機会はあまりないため喜ばれやすいです。
干物に関しても保存がしやすく、すぐに食べないといけないものでもありません。冷蔵の生ものと比べても使いやすいです。
また海産物全体に言えることですが、栄養価が豊富で健康に良いというメリットもあります。健康のためお菓子やビールなどを控えているという方にも問題なく送ることができるでしょう。
「カニ」や「イクラ」などといった高級海産物も喜ばれますが、相手方がプレッシャーを感じてしまうおそれがあります。ブランドの牛肉を送る場合も同様です。
他方、海苔や干物、高級とまではいかない海産物であれば相手方に余計な心配をかける必要がありませんし、派手さがなくても本当に良いものを送れば喜んでくれます。
逆に、「ハム」や「ソーセージ」、「お菓子」、「アイス」などは定番すぎて、多くのところから同じようなものをもらっている可能性が高いです。またお菓子やアイスに関しては家族が多くないとなかなか減らないという問題もあります。
「ビール」に関しても嗜好品であるためこだわりもあり、好みと違うものを贈ってしまうリスクがあります。そもそもお酒を飲まない家庭もありますし、万人受けさせるのは難しいでしょう。
以上のことから「お歳暮は海産物から選ぼう!」と決めても、実際何を送ると良いのかわからず悩むこともあります。
井上海産物店では『海産物のお歳暮に関するアンケート』を実施し、どのような人がどのようなものをもらうと嬉しいのか、お歳暮として人気の海産物などを調査しましたので、以下でそのアンケートから得られた海産物ランキングを紹介していきます。
内容で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1位:たらこ・明太子・すじこ
2位:珍味(ホタテ・塩辛・うに・牡蠣等の加工品など)
3位:のり・海藻(わかめ、めかぶ等)
3位:良質な缶詰(さんま、さば)
4位:煮魚冷凍パック
※インターネット調査により実施
※調査期間2021年10月16日〜2021年10月17日
※調査人数 306人(男性:109人 女性:197人)
このアンケートでは、「海産物のお歳暮をもらうとしたら次のどの商品が欲しいですか?(すべて5,000 5,000円程度の商品とした場合)」という質問に対し、上の5つの項目から選ぶという方法で実施しました(※カニやイクラ、鮭」、高級魚生魚などは高価なためここでは除外)。
その結果、最も多くの方(全体の31.7%)が欲しいと回答したのが「たらこ・明太子・すじこ」でした。
この回答をした人のコメントとしては以下が寄せられています。
・明太子は好きな料理に使えるので使い道は多くありますがスーパーで買うと安くはないのでなかなか買わないためもらったらすごく嬉しいです。
・普段だったら絶対に買わないようなたらこを頂いた。味も美味しくまた食べたいので次は購入して食べたいと思ってます。筋子やたらこ、海苔などご飯のおかずになるものは嬉しい。
2位は「珍味(ホタテ・塩辛・うに・牡蠣等の加工品など)」です(全体の21.57%)。特に男性に求められている傾向があることもわかっています。
珍味が欲しいと答えた方のコメントは以下です。
・ホタテやウニなどの加工食品は子供も好きなので送られれば家族みんな喜ぶのでありがたいと思います。
・やはり私が酒飲みなので、珍味の詰め合わせのような物を貰うと本当に嬉しいですね。
・毎回異なる送り物を贈ってくれる方がいて、私達が見たことない商品ばかり。イチゴ煮、生きた車海老、数の子と昆布の漬けなど。 どうやって食べたらいいのだろう?と考えるようなものもありました。 でもこんなにおいしいものがあるんだ!と教わる感じでその方の送り物は毎回楽しみです。
3位は同率で「のり・海藻(わかめ、めかぶ等)」と「良質な缶詰(さんま、さば)」です(全体の19.28%)。のりや海藻に関して男女差はあまりありませんが、缶詰に関しては女性のほうが求める傾向にあることも調査結果からわかりました。
そして4位は「煮魚冷凍パック」という結果になりました(全体の8.17%)。
続いて「海産物のお歳暮をもらうことはどう思いますか?」という質問に対する回答結果を紹介していきます。年代別・性別にも調査しています。
まずは全体集計ですが、以下に回答項目と実際の回答割合を示します。
・「とても嬉しい」:51.63%
・「まあまあ嬉しい」:39.54%
・「あまり嬉しくない」:8.5%
・「迷惑」:0.33%
ここからわかるように、9割以上が海産物のお歳暮に対して好印象を持っています。他方で、1割弱の方が嬉しいと感じないことにも理解が必要でしょう。扱いやすさや好みの問題もありますし、相手方のことを理解した上で送るようにしましょう。
次に男女別の結果ですが、回答の傾向自体に大きな差はありませんでした。しかし男性の方が「とても嬉しい」と答えている割合は大きくなっていました。年代別に見てみても顕著な違いはありませんが、20代の方は「あまり嬉しくない」と回答した割合が他の年代よりも大きいことがわかっています。
かつてお歳暮は直接持っていくのが原則と考えられていました。しかし現代においては宅配により済ませるケースのほうが多く、通販ですべての手続きを行う例も増えています。
ただ、通販でお歳暮を送るにしてもマナーには配慮が必要ですし、気持ちよく受け取ってもらうためにも以下の事柄には注意するようにしましょう。
現物を一度購入し、これを宅配する場合であれば、包装やのし(熨斗)がどのようになっているか確認できます。しかし通販でそのまま送り届ける場合には現物の確認ができません。
そこで、のしが付けられているかどうか、また、正しい方法で付けられているかどうかに留意しましょう。
まず前提として、お歳暮にはのしを付けるということは覚えておきましょう。のしには、「蝶結びののし紙」を用い、上部に「御歳暮」、下部に「名入れ」の表書きをします。
通販で注文する際には、のしを付けられるのか、オプションとして用意されているかどうかを確認しましょう。お歳暮としての商品であれば勝手につけてくれるケースもありますが、オプションとしてユーザー側が設定しないといけない可能性もありますので要注意です。
品物の到着時期の調整は非常に重要です。
12月上旬から年末までに届けるのが一般的とされ、少々早めに到着する分には問題ありません。しかし、年を越してしまうようなことは避けなくてはなりません。時期を遅れての到着だとかえって相手方に迷惑をかけてしまうおそれがあるのです。
そこで確実に年内に届けられるよう、早めの注文を心掛けましょう。ショップによっては年末にかけて注文が殺到するため、20日以降の注文に関して受付を終了していることがあります。注文ができたとしても、年内の到着が保証されないこともあります。
相手方に失礼がないようショップ別に到着予定日などを確認し、余裕を持って準備を始めましょう。
お歳暮には予算の相場があります。高価すぎてもよくありません。
一般的には3,000円〜5,000円と考えられていますが、相手方との関係性から1万円、あるいは2万円程度を予算とするケースもあります。
1万円以上の予算を組むのは、基本的に会社の取引先が相手である場合などです。法人として送るような場合が多いでしょう。その他特別お世話になった方がいるのであれば1万円の予算で考えても良いでしょう。
一方で相場とされている3,000円・5,000円の区別ですが、上司や普段からお世話になっている親戚などには5,000円、それ以外の両親や友人に対しては3,000円とすることが多いです。ただ最近ではより気軽にお歳暮が送れるよう、1,000円クラスのお歳暮セットも展開されています。身近な友人などに気を遣わせたくない場合にはあえて低価格の品物を選ぶのも良いでしょう。
お歳暮で送るべきではない品物もありますので、知っておきましょう。
主に以下のような品物です。
・靴やスリッパ、マット
・下着類
・刃物
・一部の花・植物
・ハンカチ
・現金
靴やスリッパなどは踏みつける形で使用することからお歳暮向きではありません。下着類、靴下に関しては現状がみすぼらしいという意味で受け取られる可能性があること、刃物やハンカチに関しては縁を切るといった意味で受け取られる可能性があることから向いていません。
花はそれ自体悪いものではありませんが、花言葉に注意しましょう。暗にメッセージを伝えてしまうことになりますので、事前に花言葉は調べておいた方が良いです。
現金、商品券などは金額がはっきりと分かることから良くないとされています。
以上でお歳暮に関する注意点などを挙げてきましたが、海産物・干物・海苔等の品物であれば安心して送ることができます。相手方に与える印象も良いですし、使い勝手で困ることも比較的少ないです。縁起ものも多いですし、まだ何を送るか決めていないという方は選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。